過払い訴訟の争点は「悪意の受益者かどうか」
貸し金業者が、利息制限法を超えるグレーゾーン金利で貸し付けを
行っていたことを、「不当と知りながら」行っていたかどうか。
もし「不当と承知した上で」利得していたのなら
それは「悪意の受益者」となります。
「悪意の受益者」とあれば、過払い金に利息5%をつけて
返還することになるので、「悪意の受益者」であるか否かが
過払い金裁判の争点の一つとなっています。
なぜ利息が取りざたされているかというと、
平成19年2月13日、最高裁が過払い利息の金利は5%、
時効は10年いう判断を下したからです。
以来、原告はあくまでも、被告を「悪意の受益者」として、
利息5%をつけた形での金額を請求するようになりました。
訴状にもそのように記します。
■訴状
【請求の趣旨】
・被告は原告に対し金○○円(過払い元金+利息)および内金○○円
(過払い元金)に対する○○年○月○日から支払済みまで年5%の
割合の金員を支払え。
【請求の原因】
・利息(悪意の受益者)
被告は、貸金業の登録業者であり、利息制限法を超える金利で
貸付をしていることを知りながら、原告より返済を受けていた。
よって被告は悪意の受益者にあたるため、過払い金に年5%の利息
を付した。
*参考http://kabarai.tkm7.com/img/sojyo1_550w.jpg
被告である貸金業者は、さまざまな理屈をつけて「悪意の受益者」と
みなされない旨を主張してきます。もちろん利息を払いたくないからです。
しかし「悪意の受益者ではない」ことを立証するには、「みなし弁済が
認められる」事自体を立証せねばなりません。
どういう事かというと、貸金業者は貸金業規制法その他法律を熟知して
いなければいけません。にもかかわらず「過払いになるとは知らなかった」
では通用しないというわけです。
「悪意の受益者」の「悪意」とは、日常生活でいう「悪意」とは若干
異なります。「知っている」だけでなく、たとえ知らなかったとしても
「本来知っておくべきであった」なら「悪意」とみなされるのです。
相手は労を尽くして「悪意ではない」ことを立証しようと
答弁書等で主張してきます。
が結局「みなし弁済が成立しないならイコール悪意である」
に尽きると考えられます。
訴訟にはいると答弁書の理解から準備書面の作成まで、
慣れない用語や理屈、言い回しとの格闘になるかと思いますが、
書籍等で充分に勉強されれば必ずや納得のいく結果となるでしょう。
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